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貴婦人と一角獣展、そして…


2013年4月24日(水)

国立新美術館にて4月24日から7月15日まで、
【貴婦人と一角獣 展】が開催されています。


『貴婦人と一角獣』とは、6枚のタペストリーで構成された15世紀の作品。
ガンダムUCの始まりと終わりに登場し、ストーリーの要となるタペストリーです。

タペストリーは、フランス語ではタピスリと呼びます。
普段は、フランスのクリュニー美術館が所蔵し展示しているため、この展示ではフランス語にならって「タピスリ」と呼び方を統一しています。


最寄り駅となる六本木駅には、多くの広告が出されています。
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東京駅などの主要な駅にも大々的に広告が出されています。
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国立新美術館
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当日券は1,500円
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館内へ入る段階ではチケットは必要有りません。
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公開初日だったこの日は、公演会が開かました。

フランス国立クリュニー中世美術館館長による『貴婦人と一角獣タピスリーの魅力』講演会です。
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以下、その内容を簡単にまとめてみます。




クリュニー中世美術館では、1959年に円形の専用展示室が作られました。
今ほど、光による作品の劣化を意識していなかった時代でも有り、天窓があり光が差し込む展示室です。
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クリュニー中世美術館は、15~16世紀のゴシックを代表する芸術文化(タピスリー文化)を中心に、タピスリーコレクションを数多く所蔵しています。



1500年頃の作品『連作タピスリー聖ステファヌス伝』と言う作品があります。
それは、質の高が高く保存状態も良い作品です。
ライオン、サル、ヤマアラシなどと一緒に、既にこの作品で一角獣も描かれています。
※翼のはえたドラゴンの紋章の描写もあり

この時代では、一角獣は実在する生き物だと思われていました。




公演開始から1時間
ここからは『貴婦人と一角獣』のお話しです。


『貴婦人と一角獣』は、赤いミル・フルール(千花模様)を多用して作られており、ミル・フルールを使用した代表作でもあります。


古代と中世には、五感に序列があると考えられていました。

物質的な感覚から始まり、より精神に近い感覚が位の高い感覚とされていました。
6枚のタピスリは、五感を表していると考えられ、展示される際も、五感の序列で並べられています。



《触覚》
貴婦人は旗の竿をしっかり握り、左手で一角獣のツノに触れている事から、のタピスリは《触覚》を表していると考えられています。
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タピスリ下のミル・フルールの部分が薄くなっているのは、美術館に入って来るまで保存状態が悪く、かなり痛んでいたので織り治ししました。しかし、織り治した当時の質が悪かったため、織り治した部分の色は発色が悪くなっています。



《味覚》
二番目の女性が登場し、貴婦人にお菓子を差し出している事から、このタピスリは《味覚》を表していると考えられています。
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6枚の中で、最も大きな作品。

二番目の女性が若干、貴婦人よりも小さく描かれており、侍女だとされています。
背景の中には、子供の一角獣も見られるます。
三角形の落ち着いた構図や、貴婦人と侍女の衣装にイタリア起源の装飾が見られるのが特徴です。
サルが口に手を当てているなど、脇役の動物も主題をあわらす助けをしています。



《嗅覚》
貴婦人は侍女が差し出した花びらで花冠作り、サルが薔薇をかいでいる事からも、このタピスリは《嗅覚》を表していると考えられています。
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《聴覚》
貴婦人が中心にオルガンをひいている事からも、このタピスリは《聴覚》を表していると考えられています。
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オルガンの両脇に貴婦人と侍女、左のライオンも音楽に耳を傾けています。
詩人、リルケの著書『マルテの手記』にも、この《聴覚》のタピスリが登場しているそうです。



《視覚》
最も有名なタピスリーのひとつ。
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一角獣を主人公に見立て、貴婦人が持つ鏡に一角獣が写り込み、それを一角獣が眺めています。
その事から、このタピスリは《視覚》を表していると考えられています。
ここでも動物は視覚を表す脇役として描かれています。
ライオンがこちらを見ていたり、ライオンの子とウサギが見つめ合っています。



古代に遡っては、一角獣狩りなどが描かれている作品もあります。
処女の匂いに引きつけられ、狩人に捕まる一角獣…という物語もあります。

一角獣狩りの主題は荒々しいけれど、このタピスリでは穏やかな場面が描かれているのが特徴です。




《我が唯一の望み》
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未だにいろいろな解釈がされているタピスリ。
中央の貴婦人は首飾りをしておらず、宝石箱にしまっていると解釈されています。
テントには『我が唯一の望み』と書かれており、その両端に《A》と《I》の文字が書かれていることから、Aがタピスリを発注し、Iに贈った物では無いかと解釈されています。

また哲学的な解釈もあり、五感を超えるものではないかと解釈もされています。

肉体的な意味に解釈もあります。

1500年代はアントワーヌ2世が、ヴィスト家当主になった年代。
『我が唯一の望み』に描かれている紋章は『完全な』を意味しており、その紋章が使用できるアントワーヌ2世が自信の結婚をお祝いするため、もしくは、当主になった権威を誇示する為に作らせたものではないかとも言われています。

タピストリーには、女性と動物しかいないと言われるが、一角獣や紋章を通して男性の存在をみてとることも可能との解釈もあります。


この様に、当時は様々な解釈の共存も可能という考え方が一般的でした。




《以下、追加の情報として》

この度の貸し出しで洗浄され、修復がされました。

表裏は色の違いないように見えて、裏側は光が当たっていなかったのでオリジナルに近い色が残っています。

特に注目が緑。
黄色系は変色しやすい色だが、裏面でには緑が綺麗に残っています。
表面で、青や赤はあまりかわっていないけど、緑は変色が進んでいます。

タピスリーの繊細な技術は、貴婦人のベールの透き通るような質感が裏面でもみて取れます。

一角獣のツノは、図案に基づいて性格に表されています。
螺旋を色使いであらわしています。

このタピスリの一角獣は、中世で最も美しい一角獣とも言われています。



などなど、今までは知らなかった『貴婦人と一角獣』の事について、多くを学ぶことのできた、貴重な講演会でした。

『貴婦人と一角獣』が国外で展示されたのは2度目。
クリュニー美術館の専用円形展示室の老朽化にともなう改装で、展示ができなる期間を活用して、日本で展示させてもらえる運びとなりました。
その様なことでも無ければ、そうそう国外へ貸し出される物では無く、今回の展示は非常に貴重な機会と言えます。

それが、ガンダムUC 最終話が公開される直前の年に重なったというのも、まさに奇跡的な偶然と言えます。

日本国内で『貴婦人と一角獣』を見られるこの様な機会は、恐らく、生きている間にはもう出会えないでしょう。

それ程貴重な展示です。







さて・・・

時の経過や保存状態で、色合いや質感は変わっていくモノです。

『貴婦人と一角獣』のタピスリ、実は都内某所でも見ることが出来ます。
美術館の展示とは違い、今までも、これからもずっと日本国内から出ることの無い常設です。

そこでは、美術館に所蔵されている『貴婦人と一角獣』とは別の時間を過ごした、もうひとつの『貴婦人と一角獣』を知ることができます。


普段は結婚式などでも使用している場所です。
予定が空いていれば見せてもらいますが、事前の確認は必要です。
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ランチでは1,500~3,000円程度で食事が出来るカフェとして営業していますが、ディナータイムは、それなりにお高い本格的フレンチのお店です。
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店舗として使用している建物とは別棟の一室にタピスリはあります。
(ここではタペストリーと呼んでいます)
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簡単な説明書きも容易はされていますが、ここは飲食店であってミュージアムでは無いので、全ては控え目です。
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ここが所有しているのは《視覚》のタペストリー。
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美術館の様な保管方法では無いので、淡い色はそれなりに退色しています。
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退色こそしていますが、タペストリーとしては美術館のモノより当初から大切にされていたようで、朽ちて補修したような跡はありません。

自然体の貴婦人と一角獣。
クリュニー美術館には無い『貴婦人と一角獣』に会えるお店です。
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このお店は骨董品を多く所有しインテリアとして飾っているお店です。
このタペストリーも骨董品のひとつとして所有しています。

それぞれは非常に貴重なモノではあるけれど、美術館では無いので、楽な気持ちで楽しんでもらいたいとの姿勢だそうです。
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なので、常識の範囲内であれば触れることもできます。
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こちらが所有している『貴婦人と一角獣』
レプリカと呼ばれる物はではありません。
鑑定を受け、本物であるとも裏付けられています。

タペストリーは美術品であると同時に、工業製品でもあります。
同じ作者が複数、製造することも少なくなかったそうです。

『貴婦人と一角獣展』で展示されているタピスリと、このタペストリーは兄弟という間柄では無いでしょうか。
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『貴婦人と一角獣展』が始まった後だと、ウワサを聞きつけて混雑するようになっては困ると思い、3月10日に先行して拝見させて頂きました。
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3度目の来店ですが、いつも快く迎えてくれる素晴らしいお店です。
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15:Re: 都内某所にある貴婦人と一角獣について

メールにてご返答差し上げておりますが、ご確認されましたでしょうか?

2014.04.18 10:18 よっくん #- URL[EDIT]
14:管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014.04.15 22:39 # [EDIT]

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